田舎暮らし=スローライフ?

田舎暮らしはスローライフではない

コロナ禍以降、移住希望者が増えている。
リモートワークを取り入れている企業が増え、どこにいても仕事ができるようになったことも移住者が増えた理由でもあるだろう。
田舎に移住すると言って都会の家を処分し、田舎に移住していく人がいるが、憧れだけで決めていないだろうか。
田舎暮らしというとゆったりと流れる時間の中でのんびり暮らすというイメージがあるが、実際はそうではないことが多い。

田舎暮らしを体験できるワークショップや田舎暮らし講座のようなものが時々開催されているが、それに参加した人の中には、田舎暮らしの現実を知って「これは無理だ」となる人が結構な数でいるのだ。
自然に囲まれた場所で自由気ままに暮らし、寝たい時に寝て起きたい時に起きる、というような生活を思い浮かべ、憧れだけで来る人たちは実際にどんな暮らしをするのかよく知らないのである。
本当の田舎暮らしは、決してスローライフではないのだ。

例えば、畑をするのならその管理が必要であるし、掃除はしなければいけない、草むしりもしなければならないだろう。
薪を使っているなら薪割りもすることになる。
薪割りは簡単そうに見えるが実は難しく、慣れない間はケガの危険もあるものだ。

田舎だとライフラインが整っていない可能性もあり、都会ではボタン1つでできていたことができない可能性があるのだ。
これらのことを考えると、「スローライフ」とはほど遠いのが現実である。
都会で暮らしている時よりも忙しくなるかもしれないのだ。

大変だけど楽しいこともある田舎暮らし

田舎暮らしの大変なところばかり挙げたため、メリットはないのか?と思うかもしれないが、もちろんメリットもたくさんある。
田舎暮らしは自然が相手となるため、言葉を介する必要がない。
その分、気を使うことはないし、相手から言われたことに傷つくこともない。

田舎暮らしというと、子育ても終え仕事もリタイアした夫婦がするものと思われがちだが、子育て世代にもおすすめだ。
いつも子どもと一緒にいられるし、田舎だと隣家とは距離があるため子どもが暴れようが大騒ぎしようが迷惑をかけることがない。
子どもは自然の中で楽しむことを覚え、たくましく育っていくのである。

毎日やらなければならないことがたくさんある田舎暮らしだが、それを1つ1つクリアしていくことで、自分は生きていると実感することができるのもメリットだ。
都会生活では感じられない感覚だろう。

移住を決める前にしたいこと

移住を決める前にはできるだけ多く現地に通うことをおすすめで、家族で引っ越すのであれば家族全員で行くのが望ましい。
その地域のことや住んでいる人の人柄などもしっかりリサーチして、メリットとデメリットを聞いておくことだ。
移住した後も頼りにできるような地元の人を見つけておけば安心して田舎暮らしを始めることができるだろう。

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