正直すぎる?福井・池田町の七か条

「池田暮らしの七か条」をどう捉えるか

都会から田舎に移住する人が増えている。
都会の喧騒から離れて、静かな田舎でのんびり暮らしたいと考えてのことだ。
福井県池田町にも移住者が増えてきているのだが、そんな中、池田町が発行した広報誌に「池田暮らしの七か条」というものが掲載され、波紋を呼んでいる。

その七か条を簡単に紹介すると、「池田町民であることを自覚して」「地域行事が多いことを理解し、協力して」「集落には支え合いの習慣があることを理解して」「都会風を吹かさないようにして」「お節介があること、多くの人たちから注目されていることを理解して」「濃い人間関係を楽しんで」「大雪の時は近所の助け合いを心がけて」というものだ。
これは広報誌や町のサイトに掲載されたものそのままの文言ではないが、これを読んで移住を考えている人はどう感じるだろう。

波紋を呼んだというのは、都会風を吹かすなとか多くの人たちから注目されているといった部分で、「上から目線である」とか「排他性の極みである」といった声が上がっているのだ。
実際に池田町に住んでいる移住者からも、こういった表現はどうなのかといった声が上がっているのだが、この七か条を事前に知らせてもらえることで、それなりの覚悟をして移住できるので良いと考えられないだろうか。

「聞いていない」「知らない」を防ぐため

この七か条を作った人たちも、移住者を排除しようとは考えていない。
都会から田舎に移住してくる人の中には、田舎での暮らしのことをよく知らずに来て、「そんなことは知らない」とか「聞いていない」などと言ってトラブルになることがある。
「都会ではこうだった」「今どきこんなことしているところはない」などと言う人もおり、現住民と移住者とが断絶してしまうことがあるのだ。

七か条はこの集落ではこうだということを包み隠さず伝え、受け入れたいという町の考えなのだ。
町の伝統や景観は昔からのつながりで守ってきたから続いてきたのであり、それを知って欲しいと町側が考えて作成したのである。

テレワークが普及し始め、田舎に暮らしていても仕事ができるようになっている。
そのため、田舎に移住を考える人が多くなった。
しかし、憧れだけでは移住は成功しない。
その地域のしきたりや自然を受け入れ、溶け込むことができるのかを事前にシミュレーションなどをすることが必要だ。

そのためには、この「池田暮らしの七か条」は移住先の暮らしをイメージしやすく、大いに役立つのではないかと言える。
都会から移住してきて、こんなはずではなかったと都会に戻る人もいる。
そういったことがないように、受け入れる側も全て正直に情報を発信したものなのだ。
七か条を参考にして、自分は移住に向いているかどうかを考えてみよう。

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